日本ワインを美味しく飲もう! ワインの保管・保存方法 完全ガイド

ワインの保管方法は、購入時に確認しよう

ワインを買うときに気になるのが自宅での保管方法だと思いますが、ワインは種類(赤・白・スパークリング等)によって保管方法が変わってきます。ワインを買うときはそのワインに適した保管方法を購入店で聞いてみましょう。

ワインに詳しい店員さんがお店にいない場合、参考になるのが「売られている状態」です。常温(室温)もしくは冷蔵、またはワインセラーのいずれかだと思います。酒販店やワインショップでは、一般的にワインにとって適した環境で販売されていると考えられるので、その状態を参考にして保管しましょう。またインポーター(輸入業者)によっては裏ラベルに保管方法が記載されている場合もあります。

ワインの理想的な保管条件5つ

ワインを保管するためにどのようなことに気をつければ良いのでしょうか?基本的な条件を考えていきましょう。「ワインは生き物」と言われるほどで、瓶詰めされ出荷されてからも常に風味が変わり続けています。どんなに良いワインでも良い保管条件が満たされていないと、本来あるべき風味が損なわれてしまいます。

それでは、ワインにとって理想的な保管条件5つについて紹介していきます。

1.低温で温度変化が少ない場所を選ぼう

ワインの保管場所は、涼しく温度差が少ない場所が適しています。一般的には13度から15度くらいが適温と言われ、常温と言われるものでも夏に30度を超えると劣化してしまいます。

反対に、真冬で温度が低すぎる状態で保管してしまうと、味のバランスが損なわれてしまったり、熟成タイプのものでも健全な熟成が出来なくなってしまいますので注意が必要です。

2.光を避けて保管しよう

ワインにとっては光も影響があります。光に当たり続けると「還元臭」と言われる臭いの元となります。特に紫外線には注意が必要です。ワインショップなどでは、目立つからといって光の当たる位置におすすめのワインが陳列されていることがあります。そのような場合は、お店の奥や別の場所に同じものが保管されていないか訊ねると良いでしょう。

3.湿度は65%~80%が理想

少々意外かもしれませんが湿度も重要です。特にコルクが使われいるワインは注意が必要です。 乾燥した場所で保管されていると当然コルクも乾燥してしまい、僅かでも隙間ができてしまいます。 空気に触れると酸化の原因になるので、湿度は65%から80%くらいが良いとされています。

4.振動や異臭にも注意が必要

ワインの熟成は非常にデリケートなものです。常にワインの中で成分結合や微量の酸化などを繰り返し、熟成していきます。 その中で振動が起こると、その熟成を阻害してしまったり、熟成する前に年を取ったようなワインになってしまいます。 また、臭いの強いものと一緒に保管してしまうと当然香りに影響が出てしまうため避けるようにしましょう。

5.寝かせた状態で保管しよう

よくワインの地下貯蔵庫や大型のワインセラーなどで寝かせて保管しているのを見かけますが、それはもちろん保管に適しているからです。ワインを寝かせることでコルクと液面を触れさせ、常に湿った状態を保っているのです。 先程、コルクには湿度が重要という話をしましたが、寝かせて保存することで、コルクに適度な湿度を与えることができます。また寝かせることで安定した状態になり振動などの影響を受けにくくできます。

自宅ワインセラーを利用するのが簡単

ここまでワインの保管条件を紹介してきましたが、すべての条件を簡単にクリア出来るものは、やはりワインセラーです。大きくて高価なイメージがありますが、家庭用にコンパクトでリーズナブルなものもあるのでおすすめです。

ワインセラーがない場合の保管方法

ワインセラー以外に保管出来る場所はあるのでしょうか?先程の5つの条件を可能な限り満たした場所を考えてみると「冷蔵庫のチルド室」や「クーラーボックスに入れ押入れの奥にしまう」「床下収納」などが考えられます。冷蔵庫の場合は他に臭いの強いものを入れないように注意が必要です。また、ワインを購入する際に店員さんにご自宅の状況を伝えてアドバイスをもらうのも良いでしょう。この場合長期保存ではなくあくまで一時的な保管場所としてなるべく早く消費するのをおすすめします。

開栓後の保管方法

何日かに分けて飲みたい場合や飲みきれない場合は「冷蔵庫に立てて」置くことで、一定の温度を保ちつつ空気に触れる面積を減らし酸化を防ぐことが出来ます。その際、「バキュバン」(ボトル内の空気を抜くための器具)などを使って疑似真空状態にしておくとより良いでしょう。赤ワインの場合は温度が低すぎるので飲む前には早めに出しておきます。スパークリングワインは専用のシャンパンストッパーでキツく栓をして炭酸ガスが逃げないように注意しましょう。

いかがでしたか? ここで紹介した保管方法を知ることで、単に保管をするだけではなく、良いワインをより熟成させたり、開栓してからも味の変化を楽しんだりすることが可能になります。

さらに、ワインの販売店の保管状況や販売している環境を見ると、そのお店のワインの扱いも分かるようになります。ここで紹介した内容を、自宅でのより楽しいワインライフの参考にして頂ければ幸いです。

この記事のライター:りょう
フリーランス兼フリーライター。酒メーカーからマーチャンダイジングの請負をする側らワインや食に関わるwebライティングをしています。ANSA(全日本ソムリエ連盟)認定ソムリエ、唎酒師、酒エキスパート、ビール検定3級。